佐竹敏章さん ・千葉県市川市→中川町

 

移住者フェアで道北を知る

 千葉県に住居を構え、東京でサラリーマン生活をしていました。定年を迎えるころ、市川の我が家周辺は宅地化が一層進み、自然がどんどん失われる状況が進みました。加えて相続税の問題が発生したりして、どこか違う土地に住んでみたいという気持ちが芽生えました。

 実家は新潟県にあるので、そう離れていない長野県などで住めるところを探しましたが、アパートとかしかなく、断念。そんな折り、東京で開催されていた「北海道移住者フェア」に参加。以前、テレビ番組で見たことのあった道北の雄大な風景に心引かれました。

 結局、66歳の時、中川町の「おためし住宅」の利用を経て移住しました。妻は仕事の関係もあり、市川の家にいます。娘達はそれぞれ家庭を持ち、年に何回か行き来する、気ままな一人暮らし生活です。

雪の多さにびっくり

 中川町へ来て最初の冬は雪が多いことに驚きました。こんなにも降るのか、とね。除雪は大変な思いをしました。けれど、まちの人は親切な方が多いですね。道路から玄関前までの道は私道なので、除雪のブルが入らないのですが、窮地を訴えたら、重機でガーッとやってくれるようになりました。それまで、手で半日かかって除雪していたところが機械を使えばわずか数分。ありがたいことです。

 ここの良さは、冬は無音な静寂の世界が広がるところ。夏もとても静かなところで、虫の声が季節の移り変わりを教えてくれます。

 もちろん、文明の利便性からはかけ離れていますが、私は、インターネットで買い物をしますし、クルマもあるのでこれ以上の余計なものは不要とさえ思っています。ただし、ここではクルマが乗れなくなると困るでしょうね。

晴耕雨読の暮らし方

 天気が良い日は、カメラを持って宗谷管内をクルマで走ります。私は山野草が好きなのでアルバムに整理しています。仲間との陶芸サークルや、図書館通いも楽しみの一つ。読みたい本をリクエストしておけば、まちの図書館まで送られてくるので大変便利です。

 多少、時間をもてあましぎみな生活になるので、畑で野菜をつくったりして食事に気をつかい、健康には注意を払っています。

 ここは、空気がきれいでストレスがない生活ができます。たまに知人が遊びにくれば、サロベツ原野やオホーツク海の方へも案内しています。クルマで1時間半も行けば、とてもきれいな景色に出会うことができますね。

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